まず、前口上が すばらしい。
やってやるぜ、という意気込みにあふれている。
こんな感じ。
~レトリックは、《修辞学、巧みな表現をする技法》と辞書にあるように、
一般には言語表現に関する技法だと思われている。
しかしレトリックは、言葉を飾る技術にとどまるものではない。
人間の行動の基礎には、レトリックが働いている。
レトリックはもともと「世界を読むための装置」だった。
しかしやがて、正確さや実証性が重視される時代になると、
すべてが情報(おしらせ)にしかならなくなった。
だが、このような事態が進行すればするほど、
対抗する批判なり拒否反応なりが生まれてくる。
レトリックの復権もまた、有力かつ有効な反撃にほかならない。~
そうして ここから、めくるめくレトリックの世界が展開されるのである。
それを知れば、「まさしく 人間の精神活動はレトリックそのものである」
ということが実感できるだろう。
これ1冊あれば表現の秘密が完璧にわかる。
( ― レトリック “49の必殺技” のうち 「誇張法」 ― ) なんちゃって。
とりあえず残り48の必殺技について知りたければ、この本を読むべきだ。
別冊宝島 『レトリックの本』 JICC出版局
1981年 8月25日 初版発行
1988年 4月 1日 第17刷発行
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