[ まえがき ] から いきなり衝撃的!
―
考え方次第で悩みは消える ― と きた。
以下、
~人生が思うとおりにならなくて気持ちが落ち込んだり、自信がなくなったりするのが 悩み である。
悩みのない人間はいない。
なぜならば、世の中は個人のためにつくられたものではないからである。
したがって注文どおりには動いてくれない。~
と続く。
そして著者は、「ふだん何となく信じていた考え方を再検討してみよう」 と述べ
“論理療法” を紹介する。
~原理Ⅰ
出来事そのものよりも、受けとめ方が大切
原理Ⅱ
“ビリーフ”が悩みの源泉
感情は思考の産物。
思考は心の中の文章記述。
ゆえに悩みがある時は、悩みを生み出しているビリーフ(文章記述)を発見すること。
思考と感情は独立した別物のように思いがちだが、そうではない。
原理Ⅲ
事実と論理性のあるビリーフ
事実に基づかないビリーフのために自他を不幸にするのはナンセンス。
自分の文章記述の中に「~だから―」とある時は注意。
因果関係というのは意外に単純ではない。
原理Ⅳ 人を幸福にするビリーフ
事実に基づかず、論理性に乏しい文章記述でも、
人を幸福にするものであれば一笑に付すわけにはいかない。
例えば信仰、暗示など。
問題を解くのに役立つ文章記述は是認したほうがよい。
原理Ⅴ 「ねばならぬ」思考からの解放
「どうしても … でなければならぬ」という事柄は意外に少ない。
大部分は「 … であるにこしたことはない」という類のものである。
断定的な文章記述がある場合は、
① 拡大解釈の度がすぎていないか
② 解釈を事実のごとく記述していないか 注意。
原理Ⅵ 状況変容の努力
ビリーフを変えればすべてOK ではない。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」というが、水をかけられるなら、そのほうがより効果的。
認知を変えるだけでなく、行動そのものを変える発想も持とう。
ながながと箇条書きで書いてしまったが、いや~、じつに面白い。
でマーキングした箇所、
特に 「感情は思考の産物」というところには、
ハッとさせられた。
感情とは、機能的には 環境の変化に対する身体側の反応
だとワタクシは考えているが、
たしかに 環境の変化を どのように捉えるか(認識するか)という問題は大きい。
考え方を変えれば、感情が爆発せずに済む場合も多いだろう。
(ただ、「思考がなければ感情が生まれない」とまでは思わないけれども。)
ま、感情も思考も、同じく脳の中で発生するとすれば、
影響をあたえても ちっとも おかしくない とは言えるだろう。
付記:
わかりやすくするためだろうけれど、この本の中の
「世の中」とか「注文」 など、 あいまいな(あるいは情緒的な)表現が ちょっと気になる。
内容には ものすごく納得し、感動しただけに、ちょっと残念。
講談社現代新書 『<自己発見>の心理学』 国分康孝 講談社
1991年 3月20日 第1刷発行
同じく講談社現代新書の、『自己変革の心理学』 伊藤順康 も、面白かった。
やはり論理療法について書いた本だが、少し雰囲気が違う。
(別人が書いたのだから当然だが)
ちなみに、この人が論理療法の創始者 アルバート・エリス
いいツラ構えだ。
PR