ワタクシは、どうも感情的な人間のようで、
気分が良いと、調子に乗って暴走し、
機嫌が悪くなると、3日くらい引きずってしまう。
我ながら 非常に めんどくさい奴だ。
「どうにかならないか」 と思って
この本を手に取ったのは ハタチ前。
以来、20年以上経つが、
いまだにワタクシは感情的な人間である。
もちろん、だから この本が無意味、と言っている訳ではない。
[感情]の原因を
神経伝達物質に求める、という観点は、
非常に興味深い。
この観点の おかげ で、ワタクシは
[感情] は、“何か訳の判らないもの” が原因なのではなく、カラダの [反応] なのだ。
と、思えるようになった。
あくび や おしっこ と いっしょだ。
眠気や尿意が起こるのは 自然なことであるように、
感情が起こることも 自然なことなのである。
眠くなったら寝る、尿意を催したらトイレに行く のであれば、
感情的になったら、深呼吸でもすることにしよう、
と 気楽に考えられるようになった。
(だからといって感情がおさまる訳ではないが)
あ、それと もう1点 この本から学んだことがある。
それは、“覚醒系の神経と抑制系の神経が別だ”ということである。
それまでワタクシは、[興奮している状態] の反対が [落ち着いている状態] だと思っていた。
「気合を入れるためには落ち着いてなんかいられない」
「冷静になるためには意気込んではいけない」
と思っていたのだ。
だが、覚醒系の神経 と 抑制系の神経 が別だとすると、
「気合はいってるけど冷静」 という精神状態が可能なのではないか。
じつは、その後 たった1度だけ、そういう精神状態を体験した。
自動車学校に通っていて、これに受かれば次は路上だ、という時に。
人生には もっと大事な局面があっただろうに、なんで この時だったかは不思議だが、
その時なりに、日常的な精神では対応しきれないような状態だったのだろう。
ワタクシは、1度きり だったが、のちに聞いた話によると、
アスリートの方は 「やる気満々なんだけど落ち着いている」状態
というのを よく経験するそうである。
な~んだ、そうだったのか。
写真は、カッパブックス 『心がここまでわかってきた』 大木幸介 光文社 より
講談社現代新書 『感情はいかにしてつくられるか』 大木幸介 講談社
1983年 1月20日 第1刷発行
1986年 5月 7日 第2刷発行
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